こんにちは。令和元年松阪市長候補、海住さつきです。
2020.3.25 橋西地区市民センターにて、
第5回 松阪さつき政治塾を開催、
今回のテーマは「松阪市の財政について 松阪市の財政は大丈夫なの? 借金は増えているの?」。
市民が「〇〇がほしい」と要求すると、
99.9%、市の回答は、
「予算がない」。
でも、
それって、本当?
本当なのかもしれないけど、
それを知るすべがない。
なぜなら、行政職員と普通の市民とでは、
市の財政に関する知識のレベルが違いすぎるから。
一年中、そのことばかり仕事で向き合っているひとたちに、
「あなたたち素人にはわからないかもしれないけれども、
実は今、松阪市にはお金がなくて、
あなたの要求にこたえる余裕はないのですよ」
と言われれば、ひっこむしかない。
そんな経験をかぞえきれないくらいしてきた経験から、
めんどくさいけど、 普通の市民も、
財政分析ができるようにして、
行政と同じスタートラインに立つことが、市民目線の政治には必要だとつくづく感じたので、
今回の政治塾では、
地味なテーマだけど、
財政についてみなさんといっしょに学びたいと思い、勉強させていただきました。
今日のお題は、「松阪市の決算カードを読んでみよう!」
決算カードは、あまり知られていませんが、
一枚で、自治体の財政がわかる優れもの!
松阪市役所の財務課(3階)に行けばもらえますし、
松阪市のホームページからダウンロードも可。
Q:「決算カード以外で財政を知ることはできないの?」
A:もちろん、できます。
市の広報を読めば、ざっくりとはわかる。
また、予算書・決算書を紐解けば、細部まで書かれていますが、
めっちゃ分厚くて読みづらいんですね。
議会を傍聴する方法もありますが、
資料なしで聞いてもぶっちゃけ、言ってることがわからなくてちんぷんかんぷん。
決算カードなら、
大事なことはすべて盛り込まれているし、
過去のカードと見比べて経年比較をしたり、
他の自治体のカードと見比べて、隣の町とわがまちを比較することもできます。
細かく、見ていくと、
ものすごく奥が深いのですが、
今回は、「借金」にスポットをあて、
厳選して読んでいきます。
<決算カード。ここだけ押さえよう!>
①財政力指数 = 基準財政収入額 ÷ 基準財政需要額
1以下→普通交付税が交付される。
松阪市は0.614(必要なお金を税金だけでまかなえない)
②実質収支比率 = 実質収支 ÷ 標準財政規模
黒字率3~5%が望ましい。
赤字 -20%以上になると「財政再建団体」になることも。
松阪市は5.8%(健全)。
③公債費比率 = 借金を返すために使うお金 ÷ 一般財源
10%以内 : 健全。
20%以上 : 地方債を許可しない
松阪市は3.3%(健全)。
④積立金現在高 = へそくり
松阪市は130億円(平成30年度決算)
⑤地方債現在高 =借金。
松阪市は470億円(平成30年度決算)≒借金時計 一般会計
⑥債務負担行為額 =翌年以降返せばいい借金(ヤミ借金・ツケ払い)
松阪市は239億円(平成30年度決算)
*まだ起債していない!だけど、確実に将来、借金になる額。
自治体には、使うことが義務付けられている「義務的経費」があり、
義務的経費の比重が高いと財政が硬直化しているといわれます。
決算カードの「性質別歳出」の上から3項目が、
義務的経費。
具体的には、
人件費+扶助費+公債費(100億+155億+57億)の合計、310億円がそれにあたります。
これは全体の46.9% (平成30年度)です。
忘れてはならないのは、
準義務的経費としての「物件費」。
「物件」という名前ながら、
実は、臨時・アルバイト・民間委託費などの人件費を、
「物件費」というのです。
松阪市の場合、83億円(12.4%)が「物件費」。
人に払うのに、「物件」て?
「義務的経費」は、
誰が市長になろうと、変わらず必要となってくるお金。
市長が、独自性を出して、攻めの出費ができるのは、
「投資的経費」と呼ばれ、
普通建設事業費がこれにあたります。
ちなみに、普通建設事業にかかる人件費は「投資的経費」に含まれます。
松阪市の「投資的経費」は94億円 (14.1%)。
さて、ここまで決算カードを見てきた感じでは、
「松阪市の財政は結構優秀じゃないか?」
でも、肌感覚としては、
ここ数年で借金は増えた気がする。
そこで、決算カードの数字を使って、
「将来世代へのツケはどれくらいなの?」ということを計算してみました。
まずは、
1.実質債務残高比率を計算してみよう!
(地方債現在高+債務負担行為額)÷ 標準財政規模 =(477億+239億)÷403億=177%
100%だと、おおよそ健在。将来世代にツケを残さない。
松阪市は、177%なので、将来世代に負担を残しているといえます。
次に計算するのは、
2.実質的将来財政負担額比率
(地方債現在高+債務負担行為額ー積立金残高)÷ 標準財政規模 = 577÷403=143%
これは、地方債現在高(現時点での借金)と 債務負担行為(将来の借金)を足したものから、
積立金残高(へそくり)を引いて、標準財政規模で割って100かけた数字。
松阪市には借金はありますが、
積み立てた貯金もあるので、
借金から貯金の額をひいて、
より、実質的な借金の比率を出したものが、「実質的将来財政負担額比率」。
今回、勉強のために、
さまざまな自治体の決算カードを見てみましたが、
数字のマジックで、
決算書を見ているだけではわからない財政の姿が、
ちょっとした計算をしてみることでわかります。
決算カード、
数字の羅列でものすごくとっつきにくいけれど、
ぜひ、読みこなしてみてください。
松阪市 海住さつき