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松阪市議会 11月議会本会議 2日目 海住恒幸議案質疑ダイジェスト「コロナに負けるな!キャッシュレス還元事業」

こんにちは。令和元年松阪市長候補、海住さつきです。

2020年12月2日、松阪市議会 11月議会本会議 2日目に行われた海住恒幸市議会議員による議案質疑、

「令和2年度一般会計補正予算 「コロナに負けるな!キャッシュレス還元事業」について、

ダイジェスト版動画作成しましたので御覧ください。

 

 

この件について、担当の方に聞き取り調査を行ったところ、

私が気になったポイントは2点で、

  1. PayPay社の一社独占になるが、市が行う事業として、公平性の観点からいかがなものか。
  2. 事業の目的として「コロナ禍で感染リスクの高い高齢者にキャッシュレスを使ってもらう」ということがあがっているが、高齢者の方にとっては本当に便利なサービスとはいえず、安全性の観点からいかがなものか。

まず、1については、

  • 市側の説明では、今回の事業は、そもそも、PayPay社の方から10月に、市の「共創デスク」に電話で営業がかかってきたのがきっかけであり、他社からのプレゼンはなかった。
  • PayPay社の提案には、高齢者に対してスマホの使い方講習を行うことまで盛り込まれており、キャッシュレスを推進したい市と思惑が一致した。
  • 9月から実施中のプレミアム商品券事業では、商品券を印刷、発送するなど、市職員の労力が大きかったが、今回のPayPay社の提案では、そういう手間が一切なく、労力をかけずに市内事業者の支援をできるというのは魅力的だった。
  • 他のキャッシュレス事業者にも問い合わせてみたが、他の事業者は準備ができていなかった。

ということを理由としてあげ、「PayPayのみが意欲的であり、他社からは提案がなかったのだから(一社独占という)問題はない」という認識を示しました。

ちなみに、他のキャッシュレス事業者がなぜ参加しなかったかについて、独自に調査したところ、

「コロナ禍で広域移動に会社として制限がかかっているので営業を差し控えている」という理由があがっています。つまり、大阪や名古屋、東京から県境を越えて三重県に営業するのがそもそも今の時期無理なのでやらないということ。今、そのリスクを冒してまで営業しているのは、PayPay社のみ。

 

次に、2について、

高齢者にはスマホ教室を開催して使い方を習得してもらう予定だとのことですが(1月に37か所で開催予定)、

  • 講師はソフトバンク社から派遣されるということだが、県外から来るのではないか?(市側の答え:県外から来ることもある)→広域移動することになるが、大丈夫なのか?というのがまず心配。
  • 現在、PayPayと銀行口座やクレジットカードとの紐づけが停止されており、現金でチャージしなければ使えない。チャージはセブンイレブンのATMでの入金が必要なのだが、本当に大丈夫なのか?(市側の答え:チャージは別に難しくないので大丈夫)→セブンイレブン一店舗につきATMは一個しかないので、行列になれ三密。使い方のわからない高齢者がATMを止めてしまう可能性もある。コンビニ店員にそこまでアシストする余裕があるとは思えない。
  • 講習会に人が集まって三密になることはないのか?(市側の答え:何かいい方法あったら教えてください)→コロナが広まっているこの時期に、わざわざ高齢者を集めるというのはかなり危険な賭けなのでは?

ということで、市側としては特に高齢者にとって危険があるという心配はしていないようです。

 

簡単にいえば、この事業は、

  • 2月の時点で、PayPayのアプリをインストールしているスマホを持っていれば、誰でも還元が受けられます(上限は、一回の買い物が5000円、一か月の累計が25000円で20%還元、つまり5000円のポイントバック。現金がかえってくるわけではなく、PayPayのポイントで還元されるので、還元分はPayPayの買い物で使う必要あり)。
  • キャッシュレスをふだんから使っている人であれば、たぶん、問題なくチャージできるし、ソフトバンクの回線を使用している人や、yahooカードを持っている人は紐づけができているのでチャージの必要がない。
  • コロナで現金を触りたくない人にとっては、キャッシュレスで還元されるのなら、ふだんのお買い物で値引きがされるようなものだから、うれしいはず。→なので、特に消費が拡大するとは思えない。ふだんの支払いをPayPayにする人が多いのでは?

 

問題は、「高齢者の方に使っていただく」という点。

 

  • 高齢になればなるほど、スマホ所有率は下がるし、スマホを持っていても、電話とLINEしか使わないという人も多いので、おそらくキャッシュレスを知らない人が多い。
  • 9月にドコモ口座の問題が起きて、「やっぱりスマホ決済はこわい」と思っている人も多い。

しかも、高齢者をターゲットとした振り込め詐欺の常とう手段は、

「コンビニATMに誘導して操作させ、送金させること」。

 

各種の講習会などで、高齢者の方に、

「コンビニのATMには近づかないでくださいね」と呼びかけてきたのに、

それを、市が率先して覆すことに、何のためらいもないのか?

 

ということで、高齢者の方にキャッシュレスをおすすめするのはいいけれど、

今のタイミングでセブンイレブンATMに誘導するのはどうかなと、私は思います。

 

「そんなこわいもの使いたくないから、キャッシュレスはやらない」

と決める高齢者も多いのではないでしょうか?

 

とすると、ここにも「公平性」の問題が出てきます。

 

つまり、高齢者にとっては、恩恵のないサービスになる可能性があるということ。

 

まとめると、

  1. 数あるキャッシュレス事業者の中で、PayPay一社をバックアップすることになる。(ポイント還元分のお金1億9000万円を支出するだけでなく、広報も市の負担で行うし、講習の会場も市が提供するなど、至れり尽くせり)。
  2. 数あるコンビニの中で、セブンイレブンだけしかチャージできないので、結果的に、セブンイレブン一社をバックアップすることになる。
  3. 高齢者はスマホを持っていない、あるいは、持っていてもキャッシュレスは使えない方が多いので、世代間に不公平が生じる。

ということで、市が行う事業として、不公平な要素が多いといえます。

 

ちなみに、今回の実施期間は2月の一か月なのですが、

今年度中ならキャッシュレス還元事業の補助金が(国から自治体として)受けられるので、そのぎりぎりのタイミングらしい。

 

コロナでいろんな補助金が国から降りてきたので、

それを使うのは正しいけれど、

「テイクアウト商品券」「プレミアム商品券」「キャッシュレス還元事業」と続き、

恩恵を受けられた業種、業態に偏りがある感じは否めない。

 

海住恒幸市議会議員の議案質疑は、約1時間でしたので、

3回に分けて、動画貼っておきます。

お時間ある方はぜひご覧ください。

市側の答弁も聞けます。