私の志

応援してくださるみなさまへ

海住さつきです。

ついにこの日がやってきました。

最近は、お会いする人ごとに「大変やな、がんばってな、体に気ぃつけて」

と言われます。

ですが、よく考えると、

この日が近づけば近づくほど、

自分がすることはシンプルになり、

結局、この1年数か月、毎日繰り返していたことを、

これから一週間、心を込めてするだけです。

 

これまで、支えてくださって、

本当にありがとうございます。

しがらみのない私を、ここまで導いてくださったのは、

お会いしたみなさん、おひとりおひとりのお気持ちです。

 

辻立ちって何すればいいの?という状態で、街頭立ちを始め、

毎日立っていたら、

車の中からごあいさつしてくださる方があって、

ああ、そうか、

道に立っていても、

ふだん、人に会った時にすることを普通にすればいいんだと思って、

それからは、

通り過ぎる車、一台、一台に、

声を出してごあいさつするようになりました。

すると、1時間半があっという間に過ぎるようになり、

いつもの場所で会う常連さんもできて、

どんどん辻立ちが楽しくなっていきました。

 

一年くらいはそんな感じで、

マイペースで時がたっていきました。

春先に、

そろそろ、もっと他の活動もいれて、

車に乗らない人にも会ったほうがいいとアドバイスをいただき、

まちへ出かけていくようになりました。

 

ちょうど茶摘みの時期、

山の上の茶畑でご高齢の女性に会いました。

その方は、

私の顔を見るなり、

「よく来たねえ。待ってたのよ」

と言って私の手を握り、

涙を流してくれました。

その強い手の力は、今でも忘れません。

そんなに長くお話したわけではないですが、

その方は、人生をかけて言いたかったことを、

一瞬で私に伝えてくれたのです。

 

農家にお嫁に来て、

毎日、毎日忙しく働き、

家のことも嫁として全部こなして、

お姑さんに仕え、

子どもを必死で育てて、

飯高から遠くの高校にやり、

大学も出してやって子どもは成人。

夢をかなえた子どもは都会で就職して、

決して家には帰って来ない。

 

親を見送り、

ご主人にも先立たれ、

山の中の大きな家と茶畑、畑が残された。

もう20年、一人暮らしをされている。

そろそろ、ひざも悪くなってきたので、

茶農家はやめたいけれど、

茶畑を荒らしてしまうわけにはいかないので、

80歳すぎたのにまだ茶畑に出ている。

本当なら、デイサービスに通いたいんだけど、

このへんには、施設もないしね。

 

でも、もし、一人暮らしができなくなったら、

施設に入ろうと思う。

子どもに迷惑はかけたくないから。

 

そのお話を聞いて、

私は自分の役割がわかりました。

 

このご高齢の女性は、

生まれてこの方、

自分のための人生なんて歩んでいない。

ずっと、家族のため、地域のため、ご先祖さまのため、子や孫のために生きてきた。

体を酷使し、

ちょっとひざが悪くなってきて、

本当は誰かに手伝ってほしいけど、

自分が受けた苦労を次の世代に受けさせるわけにはいかないからと、

娘やお嫁さんには、自分の世話はさせまいとしている。

 

だけど、80年以上生きてきて、

もう、誰かに頼ってもいいんじゃないか、

茶畑の管理は任せてくださいと言う人が、

家族にいなかったら、

この方は、ラクができないのか?

 

私にたったひとつ、お願いしたいことがあるとおっしゃった。

月に一度でいいから、お買い物バスを出してほしい。

今は、近所の人が出かける時にお願いしたり、

たまに息子が帰ってくる時に車を出してくれるようにお願いしているのだけど、

お願いするのも気兼ねするから、

自分が行きたい時に行けるバスがほしい。

こんな山の中で、

毎日はいらない。

二週間に一度でもいいし、

月に一度でもいい。

バスを出してくれるなら、

その日に合わせて予定を立てるから。

 

その日から、

感謝の気持ちに基づいて政策を決めていくことが、

これからの社会を生きやすくする根本にあるということを考えるようになりました。

足の悪いお年寄りがいらっしゃったら、

なぜ、足が悪くなったのか、

それは、働きすぎたからではないのか、

そして、足が悪いのに外に出ていらっしゃるのはなぜなのか、

誰も通院に付き添ってくれないからではないのか、

そんな風に考えていくと、

どんな支援があればいいのか、

どんどんアイデアがわいてきます。

 

子育ても終わり、

家族や知り合いもどんどん先立っていく中で、

今さら、お金がほしいわけでもない。

ただ、若い人たちに未来を託したい。

だから、何か、若い人や子供たちのために役に立ちたい。

 

そんな風に思っている人たちと、

面倒を見てほしがっている小さな子どもや、

世の中のことがよくわからず、将来に不安を抱えている若者をつないで、

明るく交流できる場を作っていくことも、

政治の役割ではないか。

 

政治というのは、

権力争いになりがちだけど、

そんなことはどうでもいい。

みんなにとって住みやすいまちにしてくれれば、

誰がなってもいいと思っている人はたくさんいます。

 

今回、私は、

そういう人たちとつながりました。

 

「組織」「組織」と言われますが、

組織が個人を幸せにできる時代ではもうなくなった。

これからは、ゆるくつながった個人が、

それぞれ、自分に合った幸せをさがす時代。

だから、あえて女性が出ていくことに意義があると思う。

女性は、目の前にある課題に集中し、

与えられた条件の中で解決策をみつけることで、

子育てや介護を乗り切ってきた人たちだから。

 

私はそんな人たちの代弁者として、

決して「政治」の雑音に負けず、

支援を待っている人たちに感謝の気持ちを届けるために、

声をあげてまいります。

 

すべてのまちに参りますので、

待っていてください。

 

海住さつき