こんにちは。松阪市の海住さつきです。
私は、高校時代、
学校の女子寮で生活していました。
とても上下関係の厳しい寮で、
入寮と同時に、先輩からの「洗礼」が。
板間に新入生全員が正座させられ、
3時間ピクリとも動くことを許されず。
先輩からは、延々と説教。
足が痛くて、細かい内容は覚えていないけど、
「先輩を敬え」
「3年生は神様」
「親や先生にチクってもムダ」
などなど、
要するに、
「最初が肝心だから、思いっきり新入生をビビらせておこう」
ということ。
3時間の説教が終わり、
まったく感覚のなくなった足で、
「ふらつくな」
「まっすぐ立て」
「転んだら罰」
などなど脅されて、
先輩が囲む中、
どうやって立ち上がって歩いて帰ったのか、
あの日の自分をほめたい。
寮は、5時半起床・点呼に始まり、
掃除当番、炊事当番、電話当番などなど、
さまざまな当番があり、
忘れると罰当番があるので、
びくびくもの。
4人部屋で、
消灯時間は10時。
まったくプライバシーのない生活。
もちろん、テレビもなかった。
私は、今でもほとんどテレビを見ないのですが、
長い寮生活で身に着いた習慣です。
さて、こんな、規則でがんじがらめの生活で、
つらかったかというと、
そうでもない。
親の目が届かないところで、
同年代の女子ばかりで生活するのだから、
楽しいことがいっぱい。
とにかく、
毎日、おしゃべりのネタには事欠かず、
延々と何時間でも雑談を続けられる技術はこの時に習得。
ついでに、
着替えと荷造りが音速でできるのは、自慢です。
1年生の間、
さんざん、先輩に仕え、
数々の理不尽に耐え、
晴れて私たちが「先輩」となり、新入生を迎え入れる時がやってきました。
誰が言い出しっぺかはもう覚えていないし、
どういうきっかけだったかも忘れてしまったけれど、
「理不尽な上下関係は私たちの代で終わりにしよう」
ということになった。
女子寮伝統の「先輩による後輩いじめ」を受けたのは、
私たちが最後となり、
板間の正座もなくなりました。
あれは、今思えば、
悪しき伝統を破る改革だった。
みんなが、
「先輩が後輩をいじめて言うこと聞かせるなんて、意味ないよね」
「自分たちはいじめられた世代で、いわば、貧乏くじをひいた(いじめられ損)のかもしれないけど、
どこかで誰かがストップかけないと、
いつまでも意味のない伝統がだらだらと続いていくよ」
と思ったら、
案外、簡単にやめることができて、
逆に驚き。
改革とは、
案外、大げさなことではなく、
「これ、変じゃない?」と誰かがボソッと言うことから始まるものなのかもしれない。