私の志

住民協議会と自治会のすみわけ問題

こんにちは。松阪市の海住さつきです。

今日は、街頭活動322日目。

終日雨だったので、一日、雨合羽着用でした。

松阪市で今、議論されていることのひとつに、

「住民協議会と自治会のすみわけ問題」

があります。

 

松阪市に自治会は445あります。

引っ越ししたらまずまっさきに自治会に入るし、

避難訓練や一斉清掃など、

地域の行事は自治会単位で行うことが多く、

自治会費もなかば強制的に集められるので、

住民の自治会に対する帰属意識はとても高いです(つまり、自分がどこの自治会に入っているかは誰でもこたえられる)。

 

一方、住民協議会は、松阪市には43

自治会よりも広域を単位としており(おおむね、小学校区)、

防災計画や地域包括ケアなど、

住民自治が求められる世の中で、

なくてはならない組織として、

前市長の旗振りのもと、

ねばりづよく住民との議論を重ね、

各地に次々と立ち上げていった経緯があります。

 

ですが、住民協議会の位置づけが確立する前に前市長が任期途中で辞め、

最後の仕上げがされないまま走り出してしまったため、

あちこちで問題がもちあがりました。

 

<住民協議会と自治会のすみわけ問題>

  1. 住民協議会と自治会の役員がほとんど兼務で違いがよくわからない。
  2. 役員の報酬規程が、住民協議会と自治会とでは異なるが、実質、やっている仕事に変わりはないので、不公平感が大きい。
  3. 市からのお金の流れは、市→住民協議会→自治会 なので、お金の流れだけ見ると、住民協議会が自治会の上部組織のように見えるが、実質的に仕事をするのは自治会なので、自治会側からすると、実際に働いているのは自分たちなのに、どうして住民協議会が上なのか?という不満につながる。
  4. 住民からの細かい要望が、以前は、住民→自治会→市 だったのが、今は、住民→自治会→住民協議会→市 とワンクッション増えたため、スピード感がない。

とにかく、自治会側に、お金を住民協議会に握られ、それをもらうために、今までの倍の量の仕事をこなさなければならず、それらをすべてボランティア(無報酬)でしなければならないことによるストレスがたまっているのが現状です。

だったら、住民協議会をなくしてしまうか、自治会を上部組織にすればいいんじゃないの?という意見もありますが、そう簡単にはいかない理由があります。

 

<住民協議会と自治会のすみわけ問題が起こった理由>

  1. 松阪市住民協議会条例で、住民協議会はきっちり規定されている。
  2. 自治会は、あくまで任意団体。

問題は、条例の存在です。

行政というのは法にもとづいて仕事をする人たちなので、条例がある住民協議会とは仕事がやりやすい。

一方の自治会は、あくまで任意団体なので、法による規定がない。さらに、誰でも自治会に入っているイメージがあるものの、実は加入を義務付けられているわけではないので、近年、加入率も落ちてきており、都市化がすすむとさらに加入率が下がるのではないかという心配もある。

 

私は、住民協議会に求められている役割を今一度、確認し、

同時に、実質的実働部隊として欠かすことのできない自治会とあわせて、

再度、条例に規定しなおすことから始めるべきだと考えます。

 

自治会も住民協議会も、今は、地元のためにひと肌も二肌も脱ごうというやる気のある人たちの熱意で支えられていますが、

近い将来、必ず、地域活動のにない手不足に悩まされる時がやってくる。

そうならないようにするために、

住民協議会、自治会それぞれの役割や仕事の割り振り、報酬など、

住民目線で細かく決めて、

一部の人に負担がかかるのではなく、

多くの人がゆるくかかわれるような組織にしていくこと、

それが、若い人たちに参加してもらいやすいようにし、

後継者を育てていくための第一歩なのではないでしょうか?

 

自治体にお金がなくなっていく中で、

住民自治のウエイトはますます高まるはず。

そんな時、みんなが気持ちよくかかわれるようにするために、

役員のやる気や善意に頼るのではなく、

なるべく多くの住民が、さまざまなかかわり方をできるよう、

仕事を見える化し、

お金の流れもシンプルにして、

出すべきところには報酬を出して、

まちの活性化へとつなげてまいります。

 

松阪市 海住さつき