私の志

消滅集落になることを選ぶのか?

こんにちは。松阪市の海住さつきです。

東京23区よりも広く、名古屋市がすっぽり2個はいる大きさの松阪市には、

消滅集落になるおそれのある地域がたくさんある。

市が「消滅集落マップ」を作っているというわけではなく、

歩いていてそう感じる。

庭木の手入れがされていなくて草ぼうぼう。

郵便受けにチラシがたまっている。

畑が荒れ放題。

カーテン越しに、室内にゴミがいっぱいたまっているのが見える。

玄関先に蜘蛛の巣がはっている。

でも、ひとつひとつの家は立派なつくりで、

庭も、多少草が生えているのをのぞけば立派。

おそらく、ここ、2、3年に空き家になったんだろうなあと思える、

そんな家を、数えきれないくらい見た。

洗濯ものがはためいていたり、

車が止まっているお宅の前を通るとほっとする。

よかったあ、人が住んでいる。

ちょっとお話を聞いてみよう。

そんなところで聞くお話は、

100%、

「このまちは見捨てられている。5年もすれば、消滅集落になる」

というセリフで始まる。

70代のうちはまだがんばれるけど、

80代になって車の免許返上ということになったら、

ゴミ出しにも行けない。

そうなったら、施設に入所するしかない。

子どもも出て行ってしまったから、

私がこの家を出て行ったら、もうおしまい。

空き家ばっかりになって、まちはさびれていく。

空気はきれい、

水もきれい、

静かで、玄関に鍵をかけなくても全然問題ない。

そんな、住むにはいい場所なのだが、

とにかく、「不便」。

今の若い人は、不便はダメだから。

子育てできないし、仕事もないから、

子どもに帰って来てとも言えない。

そんなあきらめの声を、ずっと聴き続けています。

だけど、ほんとにそうなんだろうか?

活路はないのだろうか?

たしかに、仕事がなかったら生活していけないので、それは大きなハンディだけど、

人が住んでいれば、

福祉、医療、介護、教育など、人の手の必要な業界の仕事は必ずあるはず。

女の人は、特に、子育て中は、半径30分以内のところで

家→子どもの学校や保育園→職場

がそろっていないと、なかなか子育てと仕事の両立が難しいけれど、

仕事=企業誘致

ばかりが解決策ではない。

ネット環境さえ整えば、

在宅で仕事ができる業種もあるし、

販路の確保さえできれば、

農業だって可能性がある。

「もう、ダメだ。消滅集落になるしかない」

そんな声を聞くたび、

「消滅集落になることを選ぶのかどうか、みなさんで決めましょう。

そして、消滅集落にならないことを選ぶなら、みんなで知恵を出し合って、何か方法はないか考えましょう」

そうお話しています。

ピンチをチャンスに!

松阪市 海住さつき