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令和4年9月 松阪市議会定例会 2022.9.14 海住恒幸議員による議案質疑その5 松阪市コミュニティセンター条例の制定によって文化の担い手としての公民館の位置づけはどうなるのか?

こんにちは。YouTube松阪放送局の海住さつきです。

三重県松阪市で、松阪市コミュニティセンター条例が制定され、公民館の位置づけが大きく変わろうとしています。

公民館は社会教育法に基づき運営されており、事業は以下のように定められています。

公民館は、目的達成のために、おおむね、次に掲げる事業を行う(社会教育法第22条本文)。

  1. 定期講座を開設すること。
  2. 討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。
  3. 図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。
  4. 体育、レクリエーション等に関する集会を開催すること。
  5. 各種の団体、機関等の連絡を図ること。
  6. その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。

一方、できないこともあります。

公民館は、公共の施設であることから、次の行為を行ってはならない(社会教育法第23条第1項参照)。

  1. もっぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事業に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。
  2. 特定の政党の利害に関する事業を行い、または公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。

また、市町村または特別区の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、または特定の教派、宗派若しくは教団を支援してはならない(社会教育法第23条第2項)。

松阪市にコミュニティセンター条例ができたことで、地域の公民館は、従来通り、社会教育法にもとづく公民館として続けていくのか、あるいは、社会教育法から離れ、コミュニティセンター条例に基づくセンターとして、今までできなかった物販なども行える場所として生まれ変わるのか、選択肢が与えられるようになりました。

松阪市では、現在公民館は市直営ですが、今後、指定管理者制度にもとづき、住民自治協議会が運営していくことも可能になります。おそらく、市が今まで抱えていた事業をアウトソーシングしていく流れを止めることはできないので、ゆくゆくは公民館は消え、コミュニティセンターへと衣替えしていくのではないでしょうか。

松阪市では、中央公民館としての松阪公民館がショッピングセンター内に移転してわずか数年後、そのショッピングセンターが閉店してしまうということがあり、公民館受難の自治体だといえるでしょう。

「文化のまち松阪」というわりに、文化の下支えをしてきた公民館の存在価値がどんどん薄れていく気がするのは私だけでしょうか?

海住恒幸議員による議案質疑の模様はこちら→